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普通列車の利用が主となる各駅停車の旅。新幹線や特急列車に比べて時間はかかりますが、交通費を抑えるだけでなく、地元の人々の暮らしや文化に触れることができます。各駅停車の旅を楽しくするために頭に入れておきたい、プランニングのポイントをいくつか挙げてみましょう。


どんなきっぷを使う?

普通・快速列車の自由席(普通車)は乗車券だけで利用できます。自由度が高い各駅停車の旅を楽しむなら、以下のきっぷがおすすめです。

青春18きっぷ

春・夏・冬にJR線の普通・快速列車が1日乗り降り自由のきっぷです。年齢制限はなく、1枚のきっぷで5回(または5人)まで利用できます。 値段は¥12,050(大人・こども同額)で、1回あたり¥2410。自由に旅行ルートを組むことができ、長距離を移動するほどお得になります。グループや家族での利用も可能なので、鉄道旅行の初心者には特におすすめです。

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片道101キロ以上の普通乗車券

通年購入・利用できる片道101キロ以上のJR線の普通乗車券は格安旅行の強い味方。季節に関わらず、いつでも思い立った時に旅行を始めることができます。乗車券は2日間以上有効で、出発駅から到着駅までの一方向で後戻りしない限り、何度でも途中下車OK。宿泊を伴う旅行を楽しんだり、追加料金で新幹線や特急列車にも乗車できるという、まさにフレキシブルなきっぷです。

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北海道&東日本パス

春・夏・冬にJR北海道とJR東日本のエリアを1週間かけて旅行するなら、この鉄道パスがおすすめです。JR在来線の普通・快速列車に加えて、IGRいわて銀河鉄道・青い森鉄道・北越急行ほくほく線も乗り降り自由。特定特急券を別途購入すると、北海道新幹線を利用できます。

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列車の選び方

通勤時間帯の列車を避ける

平日の朝(7時〜9時頃)と夕方(17時30分〜19時頃)の列車は、通勤通学客で混雑する傾向にあります。ラッシュアワーに大きな荷物を持って満員列車に乗るのは避けたいところ。ラッシュアワーの前後に列車に乗る計画を立てましょう。ラッシュアワーに大都市圏を通過する場合は、なるべく始発から終点まで乗車するのが望ましいところです。

長距離列車は始発から乗車する

目的地までの移動が長時間に及ぶ場合は、利用する列車の始発駅から乗車し、着席できる確率を上げることが重要です。東海道本線や山陽本線など、列車の本数が比較的多い路線では、次に乗る列車の始発駅で乗り換える計画を立てるとよいでしょう。

一例: 熱海駅から1441Mと761Mを乗り継いで浜松駅まで行く場合、静岡駅よりも興津駅(☆)で乗り換える方が着席できる確率が上がります。

1441M761M
熱海1000
沼津1019
興津 (☆)10591103
静岡11151121
浜松1234

新幹線や特急でワープ

普通列車の本数が極端に少ない区間や、乗り継ぎがうまくいかない場合は、最低限の区間で新幹線や特急列車を利用して最大限の時短効果を発揮する、通称「ワープ」もひとつの方法です。青春18きっぷの場合は乗車券と特急券の両方が別途必要ですが、普通乗車券の場合は特急券を追加するだけで利用できます。

以下の区間は新幹線や特急での「ワープ」におすすめです。

長万部〜洞爺間 (JR室蘭本線): 乗車券¥970 + 自由席特急券¥630 = ¥1600

盛岡〜八戸間 (東北新幹線): 乗車券¥1690 + 特定特急券¥1870 = ¥3560

坂出〜阿波池田間 (JR土讃線): 乗車券¥1110 + 自由席特急券¥1200 = ¥2310

佐伯〜延岡間 (JR日豊本線): 乗車券¥1130 + 自由席特急券¥1000 = ¥2130


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時には気分転換を

普通列車を朝から晩まで延々と乗り継ぐ旅は効率的に見える反面、体力的・精神的には結構ハードなものです。適切なタイミングで途中下車したり、その土地ならではの美味しいものを食べたり、ちょっと寄り道をして気分転換しましょう。

目的地の到着時刻を先に決める

長距離を移動する場合、目的地に何時頃に着きたいか(夕食前?あるいは深夜でもOK?)を先に決めておきましょう。そこから時刻表を出発駅まで逆に辿っていくと、途中下車に適切な時間帯と駅の見当がつきます。駅構内または駅周辺での食事であれば、1時間程度を見ておくとよいでしょう。

まわり道・寄り道

「東京〜大阪間で青春18きっぷを使うなら東海道本線」。確かにその通りかもしれませんが、往路と復路で乗車経路を変えたり、一部区間でJR以外の鉄道会社線を利用するのもおすすめです。時々視点を変えることで、新鮮な発見があるかもしれません。