サハリン

初めてのユジノサハリンスク観光

レーニン広場とレーニン像

ここではユジノサハリンスク中心街の散策を交通至便な駅前のレーニン広場(Площадь Ленина и В. И. Ленин)から始めることにしよう。広場は1970年にレーニンの生誕100年に合わせて整備され、高さ9m(台座分を除く)、重さが17トンという巨大なレーニン像がそびえ立つ。レーニン像はロシア各都市に点在しているが、極東ではここが最大級であろう。


サハリン鉄道歴史博物館

ユジノサハリンスク駅から線路に沿って北へ徒歩数分。日本統治時代の赤レンガ倉庫群が建ち並ぶ線路沿いに1930年代から1990年代までに製造された様々な鉄道車両が屋外に展示されており、中には日本製のラッセル車(1939年製)や、JR東日本から譲渡されたキハ58型気動車(1963年製)も見られる。

展示車両の一覧は鉄道博物館(Музей истории Сахалинской железной дороги)のリンクを参照のこと(ロシア語)。

www.rzd-expo.ru/museums/sakhalin_railway_museum_of_history/

レーニン広場の北側、ホテルモネロンの正面左手には日本から輸出されたD51-22号機が静態保存されており、その奥に鉄道博物館の小さな展示室がある。入館無料。土曜・日曜は休館。


Lenina(レニナ)通り

鉄道博物館から線路に沿って北へしばし歩き、ショッピングモールやバザール(市場)が建ち並ぶ踏切前の交差点を右折。そしてサハリンデパート前の十字路をもう一度右折すると、市内随一の賑わいを見せるLenina(レニナ)通りに入る。日中の賑わいは中々のもので、朝夕はしばしば渋滞が起こる。


サハリン州美術館

賑やかなLenina通りの一角に建つのが、日本統治時代に旧北海道拓殖銀行豊原支店として建てられた歴史的建物を活用した美術館(Южно-Сахалинский областной художественный музей)である。階段を上った2階の数部屋にロシアとアジア(特に朝鮮系)の近現代芸術作品が常設展示されているが、その数は随分と少ない。

もっとも、この建物は企画展の展示スペースとして活用されている館内の吹き抜けをはじめとした建物の意匠に見学の価値があると思われる。

美術館の前庭にはこの街で一番大きなチェーホフの銅像があり、記念撮影に好適。なお、美術館の背後にある学校風の建物は州立図書館で、こちらでも時折、無料の企画展(他所では中々お目にかかれないであろうNorth Korea展など)が行われている。

ここまでレーニン広場を起点に駅の北側をぐるっと一回りしてきたが、今度は駅から東へ延びるメインストリートのKommunischesky通りに沿って歩いていく。沿道には旧豊原町役場や旧樺太庁会議室などの隠れた日本統治時代の歴史的建物が点在しているので、これらも見ておきたい。


サハリン国際劇場センター

州政府庁舎の向かいに建つサハリン国際劇場センター(通称チェーホフセンター: Сахалинский Международный театральный центр им. А.П. Чехова)は当地における文化活動の中心地。2014年に改装され、ヨーロッパ調の小綺麗な建物に生まれ変わった。周囲は公園になっており、チェーホフの作品に登場する人物の銅像が各所に配されている。

なお、空港と中心街を結ぶ63番バスがチェーホフセンター(Чехов Центр)に停車する。


A.P.チェーホフ書籍博物館「サハリン島」

ここはチェーホフセンターに隣接する文学館(Музей книги А.П. Чехова Остров Сахалин)で、2014年の劇場センター改装に合わせて新築された。

その名の通り、1890年にロシアの文豪アントン・チェーホフが、流刑地だったこの島の実情を記した文学作品「サハリン島」にまつわる当時の資料やモノクロ写真を展示。常設展示は1階のワンフロアのみと小規模だが、流刑地の暮らしぶりを等身大の人形で再現したコーナーや、お土産などもある。


サハリン州郷土博物館

サハリンを代表する日本統治時代の歴史遺産のひとつがこの博物館(Сахалинский областной краеведческий музей)。1937年に樺太庁博物館として開館し、ロシア側の視点から見たサハリンの複雑な歴史、自然と生態系、そしてアイヌやニブフをはじめとする少数民族の文化や衣装を展示。解説はロシア語のみだが、何を伝えようとしているのかは概ね理解できるであろう。

日本統治時代の生活道具や地図、日露国境標石のレプリカなど、日本とロシアの歴史にまつわる展示も多い。

建物の周囲を囲む前庭は無料で散策でき、日本統治時代の戦車や大砲、奉安殿、流刑地時代の生活を再現した建物などを見ることができる。


復活大聖堂

郷土博物館からKommunischesky通りを東へ約200m。Komsomolskaya通りとの交差点の左手に見えるのが、2002年に建てられた小さなロシア正教会(Воскресенский собор)。決して「大」聖堂ではないが、可愛らしい雰囲気の外観で、2016年にハリストス生誕大聖堂が完成するまで、当地におけるロシア正教会の中心地であった。拝観は自由で、建物の右手には売店がある。

このあたりでちょっと歩き疲れたら、聖堂の背後に建つ北海道センター(日本総領事館や観光情報センターが入居)に隣接する日本食レストラン「北海道(Хоккайдо)」でひと休みすると良い。日本語や英語のメニューもある。


ガガーリン公園

復活大聖堂と北海道センターの背後に広がる緑豊かなガガーリン公園(Парк им. Ю. Гагарина)は、1968年にソ連最初の宇宙飛行士ユーリ・ガガーリンにちなんで名付けられた。彼の小さな銅像はKomsomolskaya通りに面するガガーリンホテルの北側入口に立つ(ここで彼と同じポーズで写真を撮るのが定番だとか)。

2010年台半ばまでは深夜2時ごろまでロシアンポップを大音量で響かせるビアガーデンやカフェバーが園内に軒を連ねており、シャシリクの匂いと相まって実にスモーキーな雰囲気が漂っていたのだが、大々的な再開発によってフードコートや自動販売機が設置され、日本とさして変わらぬ健全な公園へと生まれ変わった。

公園の中心部には日本統治時代に造成された貯水池(王子ヶ池)があり、その畔にロシア国鉄が運営する子ども鉄道(鉄道の運営全般について専門的に学ぶ青少年向けの教育施設)のプラットホームがある。

冬季を除いて軽便規格のディーゼル機関車と客車が園内の東側を約10分ほどで周回しており、駅の窓口でチケットを購入すれば誰でも乗車できる(車窓はやや単調かもしれない)。


ゲルメス

サハリンならではの土産物を買い求めるなら、公園を散策する前に、ガガーリン像の向かいに建つ土産物店「ゲルメス」(Гермес)に立ち寄ってみよう。小さな店構えでありながら、定番のロシア土産から手作りのオリジナル商品まで、品揃えは市内随一。そして何より商品のクオリティが高く(ウラジオストクやハバロフスクの土産物店でも見かけないようなものもある)、ロシア語が通じなくてもOK。

>> 次のページへ (パート3)