極東・沿海地方

初めてのユダヤ自治州ビロビジャン観光

ユダヤ自治州の州都ビロビジャンはシベリア鉄道沿線に位置する人口約7万人の小さな都市。広大なロシア極東において、面積わずか36,000平方キロメートルに過ぎないユダヤ自治州の中心地であり、スターリン政権の社会主義民族政策によるユダヤ人の新しい移住地として1931年に開かれたのが始まりである。

わざわざこの土地が移住地に選ばれたのは、アムール川を挟んで満洲国と接するという地政学的な理由もあったとされ、現在のベラルーシやウクライナ、さらにはアメリカやパレスチナ、アルゼンチンなどに在住していたユダヤ人がこの土地に移り住んできたという。

しかし、湿地帯が多く点在する未開の土地であり、それに加えてわずか数年後に反シオニズム政策が敷かれ、自治州のユダヤ文化は抑圧の憂き目に遭う。この州で最大約32,000人を数えたユダヤ人の移住者は、1930年代末の時点で17,500人にまで激減した。

その後もユダヤ人の人口流出は徐々に進み、ソ連崩壊後はイスラエルをはじめとした海外への移住がさらに加速。現在、この州に在住するユダヤ人は1000人台で、州の全人口に占める割合はわずか1パーセントに過ぎない。しかし、街角に点在するイディッシュ語の表記やシナゴーグ建築などに、ビロビジャンならではの特色が垣間見られる。このような歴史的背景もあって、現在は自分のルーツを知るために世界各地から遠路はるばるやって来るユダヤ人は少なくないようだ。

ビロビジャンはハバロフスクから日帰り圏内に位置しており、シベリア鉄道の旅で途中下車することもできる。興味があれば、ユダヤ自治州ならではの歴史と文化に触れてみてはいかがだろう。


ビロビジャンの散策ルート

ソ連に亡命したスイス人建築家のハンネス・マイヤーによって手掛けられた計画都市ビロビジャン。中心街は1キロ弱の四方に収まるほどの小ささで、地図がなくても割と簡単に方向感覚を掴めることだろう。数時間あれば、主な見どころを歩いて回ることができる。



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